/ posted by yamayoko

RFIDタグで無人接客ができる?!

先日RFIDタグの展示会にいってきたのでレポートをまとめてみたいと思います。
RFIDタグによって棚卸しコストを削減できる点は当初より注目されていますが、このタグによってその他できることがたくさんありましたのでこのあたりも含めてご紹介します。

RFIDとは?

RFIDタグ
皆さん良く使っているSUICAやPASMOみたいなもので、電波を使って物や人を自動的に識別するための技術を指します。
また、無線を利用しているため同時に複数IDを一括して読み取ることも可能です。

写真のように、従来の紙タグの中にチップが埋め込まれています。

【RFIDタグでできること1】棚卸しコスト削減

100パッキン

販売経験がある方ならこの素晴らしさがわかると思いますが、
今まで新商品の入荷やフォロー在庫、店間移動の在庫が届いた際にパッキン(段ボール)を一つ一つ開封して、
伝票通りの商品、個数が届いているか確認するという作業を販売員が行っています。

しかしRFIDタグが導入されている場合は無線で在庫の読み取りを行うことができるのでこの時間を削減することができるんです!

お店にもよると思いますが、少なくとも以下人件費の削減が見込まれます。
・2時間 × 1,000円(時給換算) × 1店舗 = 2,000円/Daily
・8時間 × 1,000円(時給換算) × 1店舗 = 8,000円/Monthly(月に1度の棚卸し)

この浮いた時間に接客や、ブログやスタッフコーディネート写真撮影の時間に充てることができるのでさらに売上向上を見込むこともできます。

【RFIDタグでできること2】スマートシェルフで分析

スマートシェルフ

RFIDタグだけでなく、棚側にも情報を受ける仕組みを入れておくことで「どの商品が、何回手に取られ、何回試着され、何着売れたか」を把握することができます。

現状のアパレル店舗ではこの情報を店員の肌感覚ベースでPDCAを回していたり、KPI管理シートを紙やエクセルで管理しているので正確なデータを見ることができませんし、忙しい日にはデータ取得することができません。

データが取得できるようになると、例えば「レイアウトA」から「レイアウトB」にMDが変更を加えた際に、どちらの方が収益席が高いかを可視化することができるようになります。(実店舗で厳密なA/Bテストは難しいのですが。季節や天気要因を全く同じ条件でテストできないので)

実績

/実績 来店数 何回手に取られたか 何回試着されたか 何着売れたか 売上 セット率
A 10,000 20,000 4,000 400 ¥4,000,000 1.9
B 10,000 30,000 6,000 600 ¥6,000,000 2.3

レート

/レート 来店数 手にとってもらう確率 試着された確率 購入率 売上改善 セット率
A 10,000 50% 20% 10% 100% 1.9
B 10,000 33% 20% 10% 150% 2.3

RFID + PrismSkyLabs で実店舗のUI分析/改善はだいぶできそうですよね。

PrismSkyLabs等を紹介した記事はこちら
yamayoko.com/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3ec/463.html

【RFIDタグでできること3】無人接客


(ちょっと動画画質が悪く、すいません)

動画は「止まり木」という富士通さん提供のシステム。
RFIDタグ付きの商品を止まり木にかざすと、その商品に関する情報を自動で表示することができる。
「買おうかな、どうしようかな」、と迷っている場合、止まり木から発行されるQRコードを読み取り、
その商品を後でゆっくり検討できる。

また、日本語⇄中国語への切り替えもできるため訪日外国人の多い店舗ではこれをベースに接客することも可能だ。

店頭が忙しい日は、対応ができなかったがために売り逃すことがあるが、いくらか止まり木か代わりに接客してコンバージョンすることもあるだろう。

RFIDタグの単価は?

1枚あたりの単価が約100円程度だったため実用には遠かったRFIDタグ。しかし最近では1枚あたり15〜20円近くまで価格が下がり、現実的な価格になってきた。

単価以外に初期システム導入費用と、運用移行コストが大きいので大手企業が全ブランドで実施するのはなかなか難しいようだ。
しかし、徐々に浸透していくだろう。

導入企業は?

海外

ウォルマート
ブルーミングデールズ
メーシーズ
マークス&スペンサー
ゲーリーウェーバー
J.C.ペニー
バナナ・リパブリック

etc…

日本

I.T.’S.インターナショナル(フランドル関連会社)*日本のアパレル業界で初導入
ships シップスデイズ(本家もやるのかな?)
beams ビーミング・ライフ・ストア(本家もやるのかな?)
ユナイテッドアローズの「グリーンレーベルリラクシング」(本家もやるのかな?)
Makers’shirts(全店舗) 、
チャールズ&キース、
オープニングセレモニー、
KOE(クロカン)、で導入中
ZARA(タグが付いているだけで、実運用されていない?)
Asics(タグが付いているだけで、実運用されていない?)

etc…

その他

RFIDタグの付いた洋服を鏡にかざすと、その商品をモデルが着用した画像が現れてくる鏡も。
これはコンバージョン率をあげられそう。
しかも鏡一台あたりの単価もさほど高くない。

(情報を載せてよいか不明だったので、詳しくは僕に問いあわせください)

【おまけ】タグの作り方

割りとさくさく作れるようだ。
また、タグのデザインも自由にカスタマイズ可能とのこと。

・・・店舗のオートメーション化、オムニチャネル化はまだまだ続く。
自動化できるものは自動化し、販売員さんにしかできないことに注力する時間が増えることで売上貢献できる機会が増え、改めて人気の職業になるでしょう。

楽しみですね!!

画像参照元:
japan.zdnet.com/article/20390857/2/

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