/ posted by yamayoko
ファッションの流行は、いつ、どのようにつくられるのか?
元繊維業界出身の会社の後輩のブログ記事を転載。
「ファッションの流行は、いつ、どのようにつくられるのか?」
kokodare.hateblo.jp/entry/2015/04/05/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B5%81%E8%A1%8C%E3%81%AF%E3%80%81%E3%81%84%E3%81%A4%E3%80%81%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%89
B2B原糸メーカーからエンドユーザー向けのファッションサービス運営・開発ベンチャーへ転職し、ファッション業界の川上から川下までを広く浅く経験した僕に合っていると思われるテーマしたつもりです。
ファッションの流行とは?
いきなりですが、「流行」ってなんでしょうか?
僕が自分でふと思ったのは、
・instagramで頻繁にタイムラインに現れるパンケーキ写真 [食べ物]
・Twitterで頻繁に見かける「ラッスンゴレライ」の動画 [映像]
など。
ファッションの流行だと、以下の3点でしょうか。
・アイテムカテゴリー(ex. MA-1)
・色 / 柄(ex. ホワイト)
・素材 (ex.デニム)
国際見本市の影響力
今回のブログでは、「色」「素材」の流行はいつ・どこからやってくるのかを、ファッション業界の年間スケジュールを通して ご紹介したいと思います。
結論から言うと、流行の生地・素材・色は、約1年前にテキスタイルメーカーが作り、「Premiere Vision Paris」(上図2月・9月の赤い枠)や「Milano Unica」といった生地の国際展示会で決まります。
Premiere Vision Paris
年に2回(2月・9月)、フランス/パリにて行われる世界最大規模の、服地の見本市です。日本を含めた世界の有力なテキスタイルメーカーが出展し、自社の製品やブランドをアピールする場となっています。また、同時にアパレルメーカーのバイヤー・デザイナー等も参加することで、ビジネスチャンス創出やトレンド発信の場でもあります。
昨年に増してコンセプトムービーが格好よくなっていますサイトも見やすくなっているなって久しぶりに見てみて感じました。
Milano Unica
イタリア/ミラノで行われる、Premiere Vision Parisと同様の国際的な服地見本市。2015年2月で20回目の開催となり、353社が出展しました。
他にも「インターテキスタイル上海」等の国際見本市があり、世界各地のデザイナー・バイヤーが「今年の面白い生地はなんだ!?どれだ!?」と目を光らせに参加します。Premiere Vision Parisは、日本人の蜷川実花さんが小松精錬とコラボし出展したことでも有名です。
これらの国際見本市では今までにない画期的・斬新なテキスタイルを開発した企業に贈られる賞があり、そちらを受賞すると世界のアパレルブランドからの発注が(高単価で)舞い込みます。 そのため、テキスタイルメーカーは「今までにない生地」・「今までにない色」を精力的に企画・開発し、国際見本市に臨みます。したがって、見本市の前に「ドレンド」は既に作られており、見本市で「トレンド」が認められると言えるのです。
つまり、今年のSSのある程度のトレンドは、去年の7・8月頃には作られていたわけですね。
「Made in JAPAN」の強さ
日本のテキスタイルメーカーとして1つあげるとすれば、小松精練株式会社です。
なぜならば、上記「Premiere Vision Paris」で唯一グランプリの受賞経験があるからです。
主な製品は、グランプリを受賞した「MUNEW」、タマネギのカ皮を利用した「オニベジ」等がありますが、ここでは「KONBU TM-N」を紹介。
「KONBU TM-N」とは、コットン素材の見た目や風合いをナイロン100%で表現した製品です。 コットンの弱点である強度の低さ、素材としての重さをナイロンで克服し、バッグ等のアクセサリーに応用することで、今までにはなかったスタイルのファッション雑貨を生み出すことに成功しました。 実際、この画期的な生地は、COMME des GARÇONS、三陽商会、ユナイテッドアローズ、VISVIMといった有名ブランド・ショップで採用されています。
以上、色・柄・素材の流行がいつ、どのようにつくられるかを解説してました。 ライフスタイルアクセントさんのFactelierやSoareakさんのECサイト内コンテンツ「A to Z」といったように、WEBメディアで商品素材をアピールにすることで自社製品・ブランドの差別化していくような流れが起きても面白いかなと感じています。