/ posted by yamayoko
最も儲かる通販とは?アパレル原価率から考察
アパレル商品を仕入れる方法は大きく分けて2つの方法がある。
1.買い取り仕入れ、メーカーや卸から商品を買い取り、自社在庫として所有する。
2.委託仕入れは、メーカーや卸から商品を預かりこれを販売する。販売数量にもとづいて委託者から小売りに手数料を支払う。
今回はそれぞれを比較しながらメリットデメリットを説明したいと思う。
また、仕入れ構造を踏まえ自社ドメイン(メーカー直販)通販がいかに重要かをご説明します。
#本記事で記載する原価率等の価格はあくまで平均的数値です。商材カテゴリやブランドにより大きく異なります。
小売りから見た仕入れ形式
仕入れ原価率 | 上代1万円の場合 | 仕入れリスク | 返品 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|---|
買取り仕入れ | 60% | 6000円 | 小売業 | 不可(返品制除く) | 仕入れを受注会のタイミングでコントロールできる | 売れ残りは不良在庫 |
委託仕入れ(委託販売) | 60% | 6000円 | メーカー | 可能 | 返品可能なため在庫リスクがない |
人気商品が仕入れづらい。 (人気商品はメーカー直営販売することが多い) |
【番外編】委託と消化仕入れの違い
委託販売の場合は、販売手数料が小売店に落ちるのに対し、消化仕入れの場合は通常の買取仕入と表面上は同じように売上と原価が計上される。
丸井が消化仕入れ販売からの撤退するそうですね。現在売り場の6割りを占めているので大きな変化がありそうです。
【番外編】ライセンス契約とは?
最近話題(バーバリーと三陽商会)なので番外編としてライセンスについて。
ブランドネームやロゴをメーカーに貸与する代わりに、メーカーから手数料を徴収する仕組み。平均して売上の10〜20%がライセンス料の相場だ。
つまりAというブランドのライセンス製品はBという別のメーカーが製造しており、Aのロゴや柄が使用されているが実際はBが商品企画〜生産まで行っている。
メーカーから見た原価計算
続いてメーカー(ブランド)側から見た場合の利益構造を除いてみよう。
▼卸先 | 平均掛け率 | 売上(上代1万円の場合) | 粗利率(原価30%で製造) | 計算式(上代×掛け率-(上代×仕入原価率) | 粗利金額 |
---|---|---|---|---|---|
小売店 | 60% | 6000円 | 30% | (10000×60%)-(10000×30%) | 3000円 |
通販サイト | 50% | 5000円 | 20% | (10000×50%)-(10000×30%) | 2000円 |
メーカー直販 | 0% | 10000円 | 70% | 10000-(10000×30%) | 7000円 |
テレビショッピング | 50% | 5000円 | 20% | (10000×50%)-(10000×30%) | 2000円 |
問屋 | 45% | 4500円 | 15% | (10000×45%)-(10000×30%) | 1500円 |
つまりメーカーは直販モデルがもっとも利益率が高いのだ。
卸売りや、zozo townのようなモールに出店しても利益が大きく削られてしまう。
1万円で売って3000円儲かるイメージだ。
一方で自社通販の場合は1万円で売って7000円儲かる。
#プロパー時のお話です。これにセールを考慮しなくてはなりません
#配送コスト等は本記事では考慮しません
なぜゾゾタウンは売れるのか?
どのブランドもゾゾに出すと売れるので出店する。
しかし果たしてzozo townに出店しなくては売れないのだろうか?
なぜゾゾタウンが売れるのか。
人がいるからである。
あなたの商品をzozo townで売って得られるものは
・売上(粗利低め)
・認知度
一方で自社通販で得られるものは
・売上(粗利高め)
・会員データ
その販売手数料を広告宣伝費にあてて、自社の会員蓄積に努めるメリットにお気づきだろうか?
公式通販を作ったが全く売れないという相談を受けることがあるのだが、そもそものアクセスがない場合が多い。
ゾゾタウンで売り続けるより自社通販で顧客とコミュニケーションを直接取り、自社会員になっていただくことでブランドの会員を蓄積することができる。
会員10万のブランドまで成長できたならば、安定的に売り上げを確保することができる。
モールの集客力に依存することなく自力で成長できる。
ゾゾタウンその他のモールは、良くも悪くもショッピングモールなのである。
結論:儲かる通販サイトの作り方とは?
利益率の高い事業構造設計することが大切なので直営通販が鍵を握っている。
一方でゾゾタウンには人がたくさんいるのでこれを利用し認知度を向上させる必要もある。
しかし最終的な落としどころとして、ブランドの顧客が自社通販でお買い物したくなる仕組みを設計することがとても重要である。
しっかり利益を出すことができれば、それをまた顧客に還元することができ好循環を生みだせるのです。