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【現地取材】タイ(バンコク)のファッショントレンドをレポート!

先日タイ・バンコクにいってきたのでそのレポートを。
旅レポートではなく、アパレルの市場として(日本 → タイ/タイ → 日本)どうか、といった観点でレポートしていきます。

タイの市場概況 #ファッション

タイの人口は約6679万人(首都バンコクは人口約828万。タイ人口の約13%)。年間1400 万人を超える世界中からの旅行者が行き交う観光国であるが、侮るなかれ。。
なかなかのファッションレベル。
町では(いろんな意味で)多様な格好をしている人々で溢れているので一見気付きづらいのだが、ハイソなエリアの人々のファッションを見るとそのレベルは日本と同等ではないかと思います。(本記事後半に世界のおしゃれランキングを参考までに記載)

#ただし、男性は全体的にあまり興味ない印象。そもそも服を着てない人も(笑)

複数の民族で構成された社会かつ、社会階層間に大きな経済格差が存在している。そしてその差は日本人には衝撃的なほど。
ちなみに中間層の初任給は12,000バーツ(日本円で約36,000円)程度。
高額だったのはソフトウエア・通信ビジネスにおける上級管理職の160,000バーツ(日本円で約480,000円)!

#エンジニアさん、プロジェクトマネージャーさんチャンス

タイではドメスティックのデザイナーブランドが有力!

Sretsis(スレトシス)

写真のSretsis(スレトシス) は最近日本でも人気のブランド。多店舗におろされているのでタイ国内でも良くみかけます。
タイ出身の3姉妹が手がけるブランドで、ブランド名は、Sisters(シスターズ)を後ろから読むとSretsisとなることに由来しています。

Sretsis 2014-2015 AW ‘The CURIOUS CLUB OF GENTLEWOMEN’にはゲストモデルとして日本の水原姉妹(水原希子・水原佑果)や仲里依紗も登場しています。

全体的に価格帯は、ブランドによりけりだが、ざっくり日本のドメスブランドと同程度だと思っていただいて良いだろう。(日本と比べてタイだから全体的に安い、という感覚ではないという意味)
デザイナーの多くが欧米でファッションを学び、海外での経験を生かして自身のブランドを立ち上げているらしく、ハリウッドセレブ達も御用達だ。

タイのドメスティックブランドが非常に強力なので、あえて日本のブランドやヨーロッパからのインポートが求められているということはないように感じる。

以下にその他主要なブランドをいくつかご紹介。

FlyNowIII(フライナウスリー)

FlyNowIII(フライナウスリー)

FLYNOW IIIはティーンをターゲットとした、カラフルかつシックなライン。サイアムセンター、セントラルのラップラオ店、ピンプラオ店、そしてセントラルワールドにそれぞれ店舗があります。(写真はサイアムセンター店)
1983年に小規模なレディースコレクションをスタートしている老舗ブランド。Sretsis(スレトシス)と並んで最も有名なブランドであろう。

シャツ1枚、日本円にして10,000円は基本いかない程度の価格帯。

Milin(ミリン)

Milin(ミリン)

ワンピースだと25,000円ぐらいでしょうか?
これぞ、タイデザイナーブランド、といった雰囲気です。

LoveMeTender(ラブミーテンダー)

LoveMeTender(ラブミーテンダー)2

2011年に若いカップルデザイナーより誕生したファッションブランド。
カラフルなオーガンジー素材やシルキーなシフォン素材を使用したり、わかりやすく可愛いブランド。

とにかくガーリー、超絶パステル。

タイ人は分かりにくいモチーフよりも「可愛い!」「カッコイイ!」「カジュアル!」等々分かりやすくジャンルを振り切ったアイテムに人気が集まっているように思えます。

トップスは10,000円でお釣りがくる価格帯です。

Curated by Ek Thongprasert(キュレーテッド バイ エック ソングプラセル)

Curated by Ek Thongprasert(キュレーテッド バイ エック ソングプラセル)

Curated by Ek Thongprasertは、2009年にタイ・バンコクでスタートしたユニセックスブランド。ELLE・装苑など、多くの雑誌やメディアでとり上げられている注目のブランドです。芸術的なアイテムは、多くのファッショニスタの心を魅了しています。

ブランド名に『キュレイテッド』とあるように、毎シーズン異なるアーティストの作品をキュレーション。

パリのコレット、ロンドンのDSM(ドーバーストリート マーケット)、香港のジョイスなどで販売されています。
日本だと伊勢丹新宿店にありますね。

Painkiller(ペインキラー) #メンズ

painkiller(ペインキラー)

PAINKILLERは、2007年ティヤンカプラーシット家の三兄妹がスタートしたメンズウェアブランド。
「フェミニンなメンズワードローブ」をコンセプトにしたデザインと、オールドスタイルのアトリエワークをミックスしたプロダクション。

日本人にも受け入れられやすいテイストです。

価格帯はシャツが15,000円〜程度かな。

日本のパルグループの Lui’sで何度かコラボ商品が発売されていますね。

www.pal-blog.jp/luis-leplatluis-shibuya/731523

タイで人気のファッション雑誌

cheeze(チーズ)

LOOKER(ルッカー)1

LOOKER(ルッカー)2

また、タイで人気の雑誌はLOOKER(メンズ雑誌)とCheeez(レディース雑誌)。
もちろんインターナショナルマガジンも人気。

また、タイのドメスブランド成長ストーリーとしては、
デザイナーの欧米での活動がタイ国内での人気につながり、百貨店出店や旗艦店、カフェへと展開する人気デザイナーやアーティストもいるようです。例えば「BOYY」はニューヨークでSartorialistにスナップが出た辺りからタイでもダイナミックに評価が動いてきたようです。

・BOYY
boyybag.com/

プラトゥナームマーケット(市場)は?

プラトゥナーム市場_露店

「タイ ファッション」といえば世界中からバイヤーが訪れると言われるマーケット。
SIAM(サイアム)駅から伊勢丹があるセントラルワールド方面へ、川を越えると無数の露店が見えるこの辺りがプラトゥナームマーケットと呼ばれるエリアです。

露店で販売されているものはとにかく安い。写真の靴は一足100バーツ(300円)です。
が、作りは以外としっかりしている模様。

数1000店規模のプラティナムファッションモール(platinum fashion mall)

プラティナム ファッションモール(Platinum Fashion Mall)

また、卸売り店舗が数千軒レベルで入っている。プラティナムファッションモール(platinum fashion mall)。
付近にビルが3つ、4つあります。

タイ 仕入れ 相場

1点から購入することができるのですが、もちろん3点、100点、と買えば割引してくれます。
しかし大量に買えば買うほど、といった感じでもありません。多品番買い付けしたい方には良いかもしれません。
例えば1点で250バーツ(約750円)のTシャツを5点買うと1点200(約600円)バーツにしてくれる。
でも50点買っても1点あたり180バーツ(約540円)程度にしか下がらない、といったイメージです。
無論、交渉次第ですが。

露天、モールどちらにも言えることなのですが日本であまり見たことのないデザインが多数見られます。
一方で韓国の東大門・南大門などのマーケットの商品は既に日本に多数入ってきていることもあるせいか、どこかで見たことがある商品ばかりですよね。(パ◯りだからかな・・・)

タイ→日本への輸入販売はまだまだ見込みがあると思われます。

タイのドメスブランドの庶民的な展開方法は、まずマーケットやチャットチャックウィークエンドマーケット、Asiathiqueやサイアムで小さな店舗を展開させ、知名度を挙げ、資金を貯めていくといった流れなのかもしれません。

全体感:タイは独自に発展をしている。要注目

【庶民】ブランド等関係なく、週末や夕方に街角に出るマーケットで1000円から2000円くらいの服を買う
【富裕層】ドメス、インポートのブランドもの中心。つまりマーケットではあまり服は買わない。
また、海外旅行をし、そこで好きな日本のブランドや海外ブランドでショッピング。東京に来たらとりあえず青山に行き、銀座ではDSMに行く。上海、香港、ソウルに行ってもDSMにあるようなブランドでショッピングをするイメージ。

【日本→タイ】 エッジの立ったブランドでないとタイのドメスブランドに負けてしまう可能性あり。Made in Japanの強みは生かせなそう。
【タイ→日本】 日本未上陸の商品も未だ多数あるので、今後進出(日本で人気が出る)してくる可能性あり。

以下、参考情報各種をまとめておきますので参考程度に。

エリア別

・Paragon (ローカル、旅行客で常ににぎわっている。タイで最もinstagramのアップが多い場所)
・Siam Center(流行発信地、ローカルデザイナーブランドが多い)
・Central Embassy(最近出来たばかりの高級デパートメント、高級ブランドが多い)
・Cetral World(イベントがよく施される、総合ショッピングモール)
・Platinum(安めのファッションブランドの卸売り、若者ローカル向け)
・MBK(ローカル向けで、だいたいの物は安く何でも揃う、秋葉原 上野のような場所)
・Central Radprao やCentral Rama 9(中心より少し離れるが、ローカルが多く集まるショッピングモール)
・Terminal 21 (ファッションブランドが多く入っている)
・Mega Banna(ここも中心より離れる。家族向けでIKEAなどもあり、最近の成長著しいタイの感じが分かりやすい場所)
・Siam Square (ショッピングモールではないが、原宿のような場所。Paragonより線路を挟んで反対側)
・Chatuchak weekend market (土日のみオープン、何でも揃います。とくにビンテージは豊富です)

BTSの駅別

・Thonglor (Boyy cafeもあり、おしゃれなレストランが多い)
・Ekamai (Thonglor のとなりで、ここもレストランや服屋が多い)
・Siam (商業地、観光地 中心地)
・Asoke (商業地)
・Silom (繁華街)

世界のおしゃれランキング

参考までに米国データ調査会社Global Language Monitorの「世界のファッションの都市」ランキングを。
バンコクは今年は52位ですね。(前回は29位)

参考記事:www.fashionsnap.com/inside/bangkok-new-designer/

順位 国名 前年
1位  ニューヨーク (+1)
2位  パリ (+2)
3位  ロンドン (−2)
4位  ロサンゼルス (+5)
5位  バルセロナ (−2)
6位  ローマ (±0)
7位  ベルリン (+3)
8位  シドニー (+7)
9位  アントワープ (+2)
10位 上海 (+12)
11位 東京 (+9)
12位 ミラノ (−4)
13位 フィレンツェ (+3)
14位 マドリード (−9)
15位 サンパウロ (−8)
16位 サンクトペテルブルク (+35)
17位 モスクワ (+18)
18位 シンガポール (+1)
19位 マイアミ (+20)
20位 香港 (−8)
21位 プラハ (+24)
22位 ニューデリー (+26)
23位 クラクフ (+10)
24位 ワルシャワ (+19)
25位 ダラス (+21)
26位 メルボルン (−5)
27位 ケープタウン (+27)
28位 リオデジャネイロ (−11)
29位 シカゴ (+21)
30位 ブエノスアイレス (−17)
31位 ドバイ (−3)
32位 トロント (+21)
33位 バンクーバー (−2)
34位 ラスベガス (−10)
35位 アムステルダム (−8)
36位 ストックホルム (−4)
37位 ヨハネスブルク (−19)
38位 ウィーン (−1)
39位 バリ (−25)
40位 ボストン (+4)
41位 メキシコシティ (+6)
42位 ヒューストン (+7)
43位 コペンハーゲン (−13)
44位 モナコ (−19)
45位 ムンバイ (−7)
46位 アトランタ (+9)
47位 サンティアゴ (−21)
48位 モントリオール (+4)
49位 カラカス (−26)
50位 サンフランシスコ (−9)
51位 アブダビ (−11)
52位 バンコク (−23)
53位 オースティン (−11)
54位 フランクフルト (−18)
55位 ソウル (−21)

その他参考資料

・【JETRO】タイのアパレル市場概要
www.jetro.go.jp/jfile/report/07000366/bangkokstyle_clothing.pdf

・バンコク ファッション トレンド 2010 タイ人のファッション傾向・ファッション観
www.jetro.go.jp/world/asia/th/fashion/trends/1012001.pdf

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