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ZOZOTOWNのLINE公式アカウント復活:CFM戦略による活用方法とは!?
はじめまして。ZOEこと川添 隆です。
初登場なので自己紹介をすると、前職のヤングレディースアパレルのEC事業を2倍にし、現在はメガネスーパーのEC・WEB部門の責任者をしております。詳細はプロフィールはコチラをご覧ください。
では、YAMAYOKO.com初投稿としてZOZOTOWNのLINE公式アカウントの戦略を読み取ります。ZOZOTOWNのLINE公式アカウントが再開オープンしましたが、今回はZOZOTOWN本流の戦略に乗っ取った施策のようです。
LINE公式アカウントのリベンジなるか!?今回のブログでは、その戦略を読み取っていきます。
ZOZOTOWNのCFM戦略によるLINE公式アカウント活用方法とは!?
まず、今回の取り組み内容を振り返りましょう。
今回、LINEビジネスコネクトの活用により、ZOZOTOWN公式アカウントを友だち登録し、LINEアカウントとZOZO IDを連携していただくと今までメールマガジンやサイト内で通知していた「お気に入り」登録アイテムのセールや在庫情報など、お客様一人ひとりに合った情報を、公式アカウントからお知らせすることが可能になります。
<参考>ZOZOTOWN、「LINE ビジネスコネクト」を活用した公式アカウントを3月17日(火)より開設 | (株)スタートトゥデイ
このプレスリリースとLINEビジネスコネクトの仕組み、昨今のEC市況を踏まえて取組みの文脈を読み取ると以下のようになります。
■ZOZOTOWNで実施しているCFM施策(いわゆるCRM)は効果がある。また、サイトとしてはスマホ経由の売上は拡大している。
■具体的は施策は、「お気に入り」登録アイテムのセールや残り1店の告知や、商品毎のアフターフォローなどユーザー一人ひとりに合ったメール経由での情報配信。
■効果はあるが、メールの利用が減ってきている。特にスマートフォン。
■スマホが伸びている中で、スマホのプラットフォームとなったLINEを通じて、CFM施策を行えばより効果は高いだろう。そのためにLINEビジネスコネクトアカウントの採用。
■LINEビジネスコネクトは自社サイトとの連携、すなわちID連携しないとユーザー個別の配信はできないため、コネクトスタンプを実施。
簡単に言えば、「ZOZOTOWNとして先鋭化させてきたCFM施策を、いよいよLINEを使ってやるぞ!スタンプをプレゼントするからID連携してね」とういことです。
LINEビジネスコネクトの事例は増えてきていますが、ECでの実績は現時点でほとんどありません。私もこれまで、しこたまLINE活用でEC売上アップにつなげてきただけに、ZOZOTOWNによるLINEビジネスコネクト活用の効果は非常に期待できると予想しています。
コネクトスタンプ導入第一号。その手順は?
LINEビジネスコネクトアカウントとのID連携とコネクトスタンプをダウンロードするまでのID連携の手順は上図の通りです。コネクトスタンプとは、ID連携を促すためのインセンティブスタンプです。
実際にやってみると、手順と遷移が多いなと感じました。また、実際は、ビジネスコネクトとマストバイ(ユニークなシリアルナンバー入力によるスタンプ)の掛け合わせによるLINEのサービスだということもわかりました。
一度失敗したLINEを本気で取り組むか?
ZOZOTOWNは一度LINEの取り組みを失敗しています。その敗因は、LINEを一つのメディア・ツール・媒体としか捉えてなかったからだと私は捉えています。
今回は、リテンション重視の施策です。その本気度を示すのがバナーです。
2013年4月2日の第1回目の実施時のZOZOTOWNサイトと2015年3月17日前後のサイトを比較してみると、その違いは一目瞭然です。以前は一度もバナーがでなかったのに対して、今回はLINE施策実施時からバナーがでています。
これは今回は大きく舵を切ったと捉えてよいのではないでしょうか。
そもそもCFM戦略って具体的に何をやるのか?
ZOZOTOWNと言えば、国内最大級のファッション通販サイトという捉え方だけでなく、CFM戦略を実行に移しているサイトでもあります。
CFMとは「Customer Friendship Management」の略で、「お客さまと友達のような関係になること」という意味します。ZOZOTOWN特有の顧客関係管理の概念、いわゆるCRM戦略で、2010年からスタートし、施行錯誤が繰り返されながら現在に至っています。今や、配信するメールの種類は130種類にのぼると言われています。
<参考>顧客と友達のような関係を築くZOZOTOWNのCFM戦略、130種類以上のパーソナライズメールを自動配信 | 日経デジタルマーケティング
ZOZOTOWNの強みかつ、サービスの根幹であるCFM施策の延長にある、LINEの配信は注目せざるを得ません。
友だち登録数の推移は?
約1カ月経過した2015年4月13日11時50分時点で、友だち登録数は約36万人です。
2015年1月時点の、IRによると直近1年のZOZOTOWN会員の年間購入者数は約289万人。ひと月平均24万人で、会員購入率が2~3%と仮定すると月間の訪問会員数は800~1,200万人。そのうちスマホを60%、LINE利用率を90%とすると、対象会員数は432~648万人で、すなわち登録率は5.6~8.3%くらいと想定できます。
<参考>平成27年3月期 第3四半期決算説明会資料 | 株式会社スタートトゥデイ
あくまでも想定値ですが、スタンプをインセンティブにしていること加味しても、まだまだ少ない印象です。友だち数の数が、LINE上のCFM施策の効果に直結するため、今後の友だち数は要チェックです。
今後の展開に注目!
今後ですが、配信内容=サイトの戦略が浮き彫りになるため、一挙手一投足は注目すべきです。前述通り、LINEビジネスコネクトの通販サイトの利用事例はほぼないに等しいです。少なくとも、公開事例はありません。一方、顧客とのリレーションをとる上では、LINEビジネスコネクトは注目されていますし、確実に有効な手段であることは濃厚です。その先陣を切ったZOZOTOWNの動向は、今一度こまめにチェックする必要がありますね。
私のブログではLINE Pay導入や、LINE公式アカウント導入速報などを書いておりますので、詳しくは下記をご覧ください。
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